五星球が四星球を飲みに誘ったらしいです

 

登場玉物
五星球
(♂:あだ名→ウー)
四星球
(♂:あだ名→スー先輩)

 

とある居酒屋にて。

四星球(以下四)
『今日はどうしたんだよいきなり。お前から飲み誘うなんて珍しいじゃん』

五星球(以下五)
「いや~、たまにはスー先輩に恩売っておかないとな~、なんて思いまして」

四『なんだよ、気遣うなよ。だいたい先輩って言ったって俺はお前より星一個少ないだけなんだからさ~。もう何千年も一緒に過ごしてきたダチなんだからよ俺らはさ』

五「ハハハ、そうっすよね~!まぁ、とりあえず乾杯しましょうよ!ね!」


四『あぁそうだな、じゃあ乾杯するかー!かんぱ~い!!…………ク~!久しぶりのビールはウメ~なぁ!ほら、最近誰も俺らを探しにこないじゃん?だからずっと飲まず食わずだよ…。

昔はさぁ、ゴクウがよく探しにきてくれたんだけどなー。あいつとは一緒に暮らしてた事もあるんだぜ?今じゃすっかり出世して、宇宙にいっちまったらしいよ』

五「あー!いましたねゴクウ!あと何て言ったかな…あの豚野郎………あ!ウーロンだウーロン!

あいつ、俺ら集めてわざわざ『ギャルのパンティーおくれ~!』なんてバカな事言ってましたよね!

いやー懐かしいなぁ!ほらほら、先輩!飲んでます?ビール足りないんじゃないですか?お姉ちゃん、こっちにビール二つ追加で!あと焼鳥も!なんならピッチいっちゃいますか?先輩!」


四『…今日はずいぶんハイペースだな、ウー。…なにかあったのか?』

五「………」

四『……今日飲みに誘ったのも、何か話があったからなんだろ?…話してみろよ。…まぁ俺も一人じゃ何も出来ないただの球だけどさ……少しは力になれるかもしれないぜ?』

五「…いや…まぁ…。本当は次の店で話そうかと思ってたんですが……えっと……実は俺、結婚する事になったんスよ…」

四『結婚?本当かおい!なんだよめでてぇ話じゃねーか!先越されちまったなー!で?相手は誰なんだよ!?俺の知ってる奴か?』

五「実は……チー子(※七星球)なんです」

四「マジで!?なに?お前ら付き合ってたの?いつから?」

五「いやぁ…結構前からなんスけど…ほら、ゴクウが俺ら集めて願い事叶えたあとに、ジャンプして先輩を捕まえた時あったじゃないですか?あの時、実は俺とチー子がたまたま同じ場所に落ちたんス……で……まぁ…。誰も拾いにこないから、結構長い間一緒に暮らしてて……それでどちらからともなく自然に付き合い始めたっていうか…」

四『なんだよ俺がゴクウと一緒に神様のところで修業してた時にお前らデキてたのかよ!ぶざけんな!…な~んてな、冗談冗談(笑)いいじゃんおめでたい話だよ、別にドラゴンボール同士結婚しちゃダメなんて事はないんだからさ!最近浮いた話全く聞かなかったからさ!今日は奢るからジャンジャン飲めよ!』

五「はぁ…ありがとうございます」

四『なんだよこれから所帯持つ球がずいぶんシケた面してんなー!まだ何か心配事あんのか?』

五「はぁ…いや、実はここから先が今日先輩呼んだ理由つーか……実はあいつの…チー子のお腹の中にはもう子供がいるんス」


四『デキ婚かよッ!…つってもまぁ、今時デキ婚なんて珍しくもねーぞ?別にさ。ほら、なんつったかな……俺らのイッコ上の花崗岩(かこうがん)先輩だってデキ婚だし。だからお前も気にすることなんか別に……』

五「あ、いや、違うんス!デキ婚自体を悩んでる訳じゃないんス!」

四『じゃあ他に何悩んでるんだよ?俺らの親父は神様一人だから親に反対されてるって事でもないだろうに』

五「もし…アイツと…チー子と一緒になっても………次またドラゴンボールが集められて願い事叶えちまったら………俺ら、またバラバラになっちまうじゃないっスか…」

四「………」

五「せっかく結婚しても…遠距離になっちまうんじゃ…そう思うと怖くて…」

四「…まぁ………俺らはいつ何処に飛ばされるかわからんのは確かだな…」

五「ゴクウの野郎が現れてから、やたら俺ら集めまくりますし…絶対あと1、2回はアイツが集めそうな気がするんスよ!先輩!俺許せないっス!アイツ、まるで俺らを石コロみたいに扱うんス!」

四「…それ以上はよせ、悪酔いが過ぎるぞ」

五「先輩だって前言ってたじゃないっスか!『ゴクウのヤロー、俺がドドン破防いで命救ってやったのに磨きもしねー』って!」

四「…まぁあん時は俺も若かったからよ…」

五「あの時の先輩マジカッコ良かったっスよ!普通なら毎日磨いて神棚飾って祀るとこっスよ!?

それをあのオッスオラ野郎、磨くどころか先輩を便器の中に落としてクソまみれにしやがって!」

四「…俺の事よりお前の事だろ。結局どーすんだ、チー子とは」

五「…結局俺らは運命からは逃れられないんスよね…